桂冠詩人 SINGLE COLLECTION PLUS

Ali Project( アリプロジェクト ) 桂冠詩人 SINGLE COLLECTION PLUS歌詞
1.わが臈たし悪の華

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

濁世は鬼 正義は何ぞと
問うまえに抗えよ悪徳の華
偽善の夢視し目には目を差し
生も邪も分かたれることなし

光は絶え胎児のように
君は眠る闇の子宮
孤独こそ愛おしい
唯一の味方となるだろう

ひとりひとり血汐にまみれ
この時代に生まれ落ちた
選ばれし皇子らよ
戦いこそ祝筵

ああ我は麗し 全智
愛の母 君を産む
この乳に育みしものは
地獄の同胞

黙示の印 真理は何ぞと
知りもせず埋もれし隠匿の種
諸刃の剣抜く刃には刃を向け
守るべきものだけを信じて
有るがままに君は君を放て

断末魔の叫びを浴びて
爛熟せしこの世界に
呑み込まれ意を殺がれ
ただ生きる屍の群れ

それは君が踏みしだくもの
哀れむことは易けれど
救われず掬われる
裏切りの人の道

ああ我は臈たし 美徳
母の愛 君を喰む
この腹に孕み続けるは
異形の翼か

獄司の錠 真実は在りや
探せども果てもなし混沌の檻
審判の矢射る手には手を触れ
虚と実が折れ曲がり交わる
夜明けるまで君は君に淫す

盛れよ咲けよ
散り急ぐことなかれ

黙示の印 真理は何ぞと
知りもせず埋もれし陰徳の種
諸刃の剣 抜く刃には刃を向け
守るべきものだけを信じよ

濁世は鬼 正義は何処と
問うよりも咲き誇れ悪徳の華
偽善の夢視し目には目を差し
生も死も境界はあるまじ
最期の刻 君は君に殉じ
すべてを抱き 悟らん


2.アラ皮

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

昔々 栄えし国の
王子がひとり狩りへと出た
禁忌の森に入り
崖に足を取られて
気が付けば月も落ちぬ夜

そのとき眩暈のなか 近づくのは金色の姿
気高く聳えた角 一頭の神々しい牡鹿
不思議な光に向け 若者は我を失くしたように
弓を構えて 狙いを定めて
撓む弦に鋼の矢

命など惜しまぬと
鹿は銀いろの声で云う
だがこの森守るわたしが
死ねばすべては茨となり
おまえの都も滅びるだろう

心臓を突き
金の首と剥いだ皮
勇んで城に運ばれる

幾年か経ち王子は王に
戦破れ国は衰え
茨伝う城壁
嘆き交わす人々
愛も幸も遠去かりゆく

やがては喰うものまで 底を尽き飢えと渇きのなか
森へと訪えども朽ちた木々 芽のひとつもなく
泉も涸れ 獣の影さえなくただ風が通り
疲れ頽れ ふと目を上げれば
黄金の幼き牡鹿

あなたは父の仇
いつかと同じ声が響く
でも屍と化した国を
再び甦らせるのは
あなたをおいては誰もいない
永遠の わたしのこの血肉で
国人を救えるだろう

命は捧げましょう
鹿は銀いろの声で鳴く
王は涙をこぼしながら
やわらかな胸へと矢を射る
あの日の過ちを心から懺悔して
悔い改めた王は禁色の光と生きる

死ぬまで二頭のアラ皮
纏いつづけながら


3.勇侠青春謳

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

行けどもけものみち 獅子よ虎よと吠え
茜射す空の 彼方にまほろば
幽囚の孤獨に 彷徨う青春は
弱さと怒りが姿無き敵ですか
父よ 未だ我は
己を知りがたし

先立つ兄らの
見えない背中を追えば
迷いの一夜に明星は誘う

死して終わらぬ
夢を焦がれども
確かな君こそ我が命

烈風の荒野で 蝶よ花よと生き
とこしえの春に 咲き添うまぼろし
混濁の純潔 この身は汚れても
心の錦を信じていてください
母よ けして我は
涙を見せねども
足下の草に露は消えもせで

生まれた意義なら
やがて知る時が来よう
このいま せめての義旗
血汐に浸し

ただ君を愛し
胸に刻んだ
刺青のような傷を抱いて

行けどもけものみち 獅子よ虎よと吠え
茜射す空の 彼方にまほろば
勇侠の士となり 戦う青春は
仄蒼きほどに愚かなものでしょうか
父よ 未だ我は
愛ひとつ護れず
仮初めのこの世の真はいづこ

烈風の荒野で 蝶よ花よと生き
とこしえの春に 舞い散るまぼろし
混濁の純潔 この身は汚れても
心の錦を信じていてください
母よ いつか我を
授かりし誉れと

生けどもけものみち 獅子よ虎よと吠え
茜射す空の 彼方はまほろば
高潔の志のもと 戦う青春は
果敢なき時代ゆえ美しきものとあれ
父よ いつか我は
己に打ち克たん
尊びのこの世の誠はそこに


4.鎮魂頌

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

愛する者を
守りぬくため
僕らは命を
投げ出せるだろうか

この手に握る
平和という名の
剣をかざして
戦うのだろうか

生まれくる前の我
それは今ここに
眠る英霊か

真白き鳩が
舞い降りるたび
さわぐ梢の間
真昼の月

迷える小径
たどりついた地で
遠い兄のような
声を聞く
ああ君 我の代わり生きよと

頭を垂れて
祈りつづける
老いし人の背に
ゆらいだ陽炎

終わりなき悲しみを
包み抱くのは
誰が眼差しか

蝉時雨だけが
降り注ぐ日の
まばゆい空の
青さが染みる

さまよう心
呼び戻した地に
優しい姉のような
唄を聞く
ああ君 死にたもうことなかれと

真白き鳩が
飛び立ってゆく
翼の先の
光に向かい

忘れることなき
涙の川の
果てない流れを
人は渡り

生きる果敢なさ
生きる尊さを
巡る時のなか
僕らは知る

迷える小径
たどりついた地で
遠い兄のような
声を聞く
ああ君よ 己がため強くあれ


5.亡國覚醒カタルシス

作詞:arika takarano
作曲:mikiya katakura

嘆キノ壁ハ 積ミ上ゲラレテ
愚カノ神ハ 奉ラレル

生きるは毒杯 杞憂の苦しみを
飲み干す術を誰が授けよう
太陽に棲むと云う賢者の鷲
羽搏きだけが谺する

この双つの眸に宿った
闇と光 その何方で
僕は未来(あした)を
見つめるべきなのだろう

渇き切った瓦礫の街
点と線を繋ぎ合わせ
意味など無い事ばかり
溢れてゆく

炎のごとき孤独
抱く體 鎮めては
暗渠へと滴ってく雫

掲げる毒杯 この生は満ちても
焦がれる死の夢は流れ着く
砦に喰い込む爪 孤高の鷲
羽搏きだけが舞い上がる

あの蒼穹に礫刑にしてくれたまえ
天と地が結ぶ場所に僕は立つ

花実のような記憶たちは
焼かれ爛れ抜け殻だけ
あの日の魂は
何処へ行ったのだろう

冷たい膚 寄せて触れて
胸の傷と傷を合わせ
再び辿るべき地図
ここに刻む

世界は見えぬ翼
その黒影(かげ)に隠された
純白の一羽 射止めよ

生きるは祝杯 口移しの快楽
渇く嗤いも息も絶え絶えに
まぐわいあう慰みの掌に
虚しさだけが膨らんで

ああ玉砕と美しく散りゆくならば
恍惚の先にはまだ君が居る

嘆キノ壁ハ 突キ崩サレテ
愚カノ民ハ 鏖サレル

生きるは毒杯 愛する哀しみを
飲み干す術を誰が授けよう
月下に眠ると云う静かの鷲
啼き声だけが舞い降りて

掲げる祝杯 わが生は満ちても
果敢ない死の遊戯は果てもなく
砦に喰い込む爪 孤高の鷲
羽搏きだけが舞い上がる

あの蒼穹に礫刑にしてくれたまえ
罪と罰を生む時代(とき)を僕は視る


6.水月鏡花

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

遥かな記憶は
水面に描いた
翡翠の波間に 浮かび

わたしの身体は
届かぬ底方へ
撓み沈み揺れて落ちる

生まれくる前に
視た夢が泳ぎつく場所は
なんにもなくても
すべてがあふれる
光で織られた岸辺でしょうか

ぬくもる目蓋は
開くの それとも
閉じるためにあるのかしら

生まれくる前に
視た夢が辿りつく時は
薄闇の幕が
そっと捲られた
あなたに出会った
あの日でしょうか

生まれゆく前に
還ったあとも夢はつづき
忘れえぬ声と
微笑みを抱いて
永遠の輪の中昇ってゆくの


7.KING KNIGHT

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

はるかな遠い昔
この手は翼でなく
双つの剣で

草いきれの褥で
僕らは獣のように
息を殺してた

いま孤独と虚無の中で
騒ぎ滾る血をいかにしよう
本当の強さ欲しいと願えば
導かれるのか

いざ行かん甲冑の鋼を照り返し
つわものどもが夢の跡を
心を覆いつくす盾を取り払えよ
見えない国境はすぐそこに

地獄の底から声がきこえても
“まだまだ夜明けは遠かろう”

触れ得ぬ星の屑
希望の輝きは
一夜に消えども

永遠なる明日はいづこ
瞬間刹那の時
つなぎ永劫を

どこに畏怖も畏敬もなく
生きる空しさをなんとしよう
真の優しさ安逸の揺り籠に
育ちはしない

いざ駆けよ漆黒の荒馬嘶いて
雄々しき國の末裔たち
張り巡らされた高き柵を飛び越えよ
まだ見ぬ世界は果てしない

天の彼方から歌が降り注ぐ
帝の恩恵をその背に

いざ行かん甲冑の鋼を照り返し
もののふたちが辿りし道
その想い封じ込める楔を外せよ
ぬかる足跡も乾くだろう

いざ駆けよ漆黒の荒馬嘶いて
麗しき國の先駆者たち
終わりなき戦いに投じる御身へと
誠の魂宿るまで

もうひとりの自分が僕に声かける
“ここからすべてが始まる”


8.白堊病棟

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

まぶたをあけてなお
闇ならば
夢の底に留まりましょう

この身覆う白い緞帳に
鮮やかな絵を描く
あなたの優しい眼差し

見つめてください
この世にたったひとりで
生まれてきた
名もなき魂を

誰かがわたしに
そっと触れれば
その指があなただと
信じられる強さだけが
わたしの真実だから

かつて零れた
血の色も無く
戦いの地に萌える草

荒野より冷たいこの胸に
流れ出す哀しみも
いつか溶けるのでしょうか

迎えてください
この世でいまもひとりで
消え入りそうに
震える魂を

誰かがわたしに
呼びかけるたび
その声はあなただと
想い続けられる力だけが
命を満たすの

探してください
この世でずっとひとりで
生きることを
覚えた魂を

誰かがわたしを
抱き上げる時
その腕はあなただと
信じて待つ運命だけが
わたしのすべての光


9.GOD DIVA

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

幸福の種 いかがと
地獄に棲む天使が
売りにくるのなら

不幸の方 お安く
絢爛豪華な惨劇
お試しいかがでしょう

不測の罠へと堕ちても
有能な弁護団が
助けにおいでと今さら
信じてらっしゃいますの?

さあさようこそ
ここが救済の地
貴方はただ黙って
身を任せればいい
忘れなさい忘れなさい
この世の有耶無耶を
望む道行き道すがら
薔薇色カタストロフ

色失せた現に
愛欲非道の
人生劇場は満席

他人の不幸は
無常に滴る蜜の味で
己の上には起きぬと
思ってらっしゃいますね?

さあさようこそ
ここに極楽の血
貴方はただ眼を伏せ
腕差し出せばいい
夢見なさい夢見なさい
あの世の底深く
針の先から裂けてゆく
終焉トラジコメディ

ご覧遊ばせ 醜いこの景色
その足下を抄う 砂上咲く楼閣
壊しなさい壊しなさい
自ら意志を持ち

さあさようこそ
ここが救済の地
貴方はもう黙って
身を委ねればいい
忘れなさい忘れなさい
この世の有耶無耶を
果てる道連れ行き止まり
お熱いカタストロフ


10.汚れなき悪意

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

傷を負った若い獣が
檻に囲われ閉じ込められ
自由という名の荒野へと
駆け出す夢ばかり見る
それが今のこのわたしの姿

心には誰も 暗い闇があり
あふれる恐怖を抱え蹲る
何が間違いで どれが正しいか
この手で選ぶにはまだ世界は大きすぎて

君ならわかってくれると思った

月が雫を降らせるなら
今宵涙の代わりにしよう
少しだけ生きただけなのに
かぶさる孤独の影は
長く深くわたしを包むから

なぜ君に出逢い その頬に触れて
またひとりになると知っても愛し
どこが始まりで いつが終わりかと
迷い込んで行き止まって慄えているばかり
何より優しさに怯えてた

なぜ人は生まれ なぜ死んでゆくか
幼いまま答えを探しつづけ
ああ君と出逢い その背を見送り
また逢えると信じるのは愚かなのだろうか

心には誰も 暗い闇があり
あふれる恐怖を抱え蹲る
何が悪なのか そして善なのか
この目が捉えるのには世界は翳りすぎる

だから君にそばにいて欲しい


11.少女殉血

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

白馬ニ跨リ
闇ヲ駆ケル
ワタシハ父ガ仇
討ツ剣士ノヤウニ

留マル事無キ
無常ノ世ニハ
純潔ト不浄トガ
同ジ場処ニ棲ム

眼蓋ノ
君ガ面影ダケハ
茜ニ染マツテモ
消エハシナイデシヨウ

”ワタシヲ オ許シ下サイ”

放テヨ魂
捧ゲル血ト薔薇
気高ク生キヨト
御霊ノ言乃葉
迷エル心ヲ征シ
ワタシヲ
導イテ下サイ

飽食ノ森デ
飢エル狼
ワタシハ求メテイタ
命賭ケシモノ

君ヲ想フトキ
熱ク伝フ
涙ノヒト雫ニ
真実ハ在リヤ

一夜限リノ
契リハ胸ニ
刻ミ込マレタ刺青
今生ノ餞

”ワタシヲ忘レテ下サイ”

翔ビ立ツ魂
捧ゲル死ト百合
貴ク散ラント
吹キコム神風
憂イノ季節ハ過ギヌ
コノ身ヲ
嗚呼 迎エテ下サイ

”ワタシヲ 行カセテ下サイ”

放テヨ魂
捧ゲル血ト薔薇
気高ク生キヨト
御霊ノ言乃葉
美シキ日びノ為ニ
ワタシヲ 導イテ下サイ

麗シキ日びノ為ニ
ワタシヲ 導イテ下サイ


12.MOTHER

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

あなたがこの世で目にした
穢れや醜いものすべて
わたしの指で ふさぎ ぬぐい
きれいなものだけ見せたい

うつむいて 土の花
顔を上げ 空の星
希望 ひとつひとつ
数えましょう

きっと
生まれ変わって
わたしはあなたを
産む母になる
こんなふうに髪を撫で

あなたがこれまで流した
涙は 透明な海へと
注いでゆくわ 寄せて かえす
波間に月は輝く

愛はどこにあるのか
人はどこへ行くのか
答えを少しづつ
探しましょう

いつか
生まれ変わって
わたしはあなたを
守る母になる
こんなふうに抱きしめて

だけど
今は小さく
何にもできない
女の子なの
ただそばに居るだけの


13.桂冠詩人

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

わが心を夜毎
冷たい月の
光に凍らせて
粉々に砕けば

燦爛と燃え
破片は胸を刺さん
これが愛する痛みと

白亜の神殿に
刻まれた幾万の詩
過去からの営み
なぞる如く生きては
ただ歌を紡ぐ
狂おしき宿命

なおも馨しく
苦しみ伝う血

わが涙を注ぐ
静かな海に
水面の輝きに
抱かれて沈むなら

深淵に落ち
蒼い真珠とならん
偽りなき恋ならば

想いの海原を
言葉は帆船(ふね)になって
どこまでも旅する
辿り着く岸辺は
この世にはないのに
波は永久に寄せる

頭上に戴く
泡沫の花よ

天へと捧げん
空に書き風に詩い
最後の一節まで
月桂の葉匂う
美し供物となれ
この命を添えて

すべて時の砂
埋もれたあとも


14.鬼帝の剣(orchestral arrange ver.)

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

この胸に抱くのは正義

朱く熱く燃える わが太陽
この世の何処かで 凍りつき眠る真実
見つけ出すこの手 愛と哀しみに
どれだけ触れるのか
僕は僕であるため 闇を融かしてゆく

まだ見ぬ世界への
扉をくぐるとき
翼が傷つくのなら
この心を 鋼に変え

交差する光よ
落ちる影は 未来の先を
輝かせるだろう

果てしのない宇宙の隅
ひとつひとつ孤独の星に
生きる僕ら 繋がり合う
地球越えるLINE(はし)となるように

※仄く潜み浮く青天の月
嘲り翳ろう 夢の雫がこぼれても
差し伸べたこの手 受け取るぬくもり
そこに在る微笑み 君が君でいるため
命を添わせよう※

魂(こころ)の奥に棲む
鬼は片眼を開け
深まる時を見つめる
何が悪で何が善か

誰かを守る為
怒りを持ち 涙を流し
己に溶けゆく

尽きぬものは希望と欲
ひとりひとり刹那の罠に
迷う僕ら 争い合う
それが正しい歴史となるのか

遠く近く聳ゆる わが大地
頽れ踏みしめ すべてを還す土の上
包み込む腕の 優しさの記憶
何度でも目覚める
人が人であるため 道は続くだろう

この胸に抱くのは剣

朱く熱く燃える わが太陽
この世の何処かで 凍りつき眠る真実
見つけ出すこの手 愛と憎しみに
どれだけ触れようと
僕は僕でありたい

(※くり返し)

そして僕を
護る 勝利